ニュース1 被害者の居住地は伏せてあります。

連続婦女暴行事件を捜査している地検は8日、婦女暴行と窃盗罪などで、本籍高知市の住所不定、小島英朗容疑者(42)=婦女暴行罪などで公判中=を追起訴した。同容疑者は今年3月、強盗婦女暴行罪などで刑務所出所後のわずか2カ月間に、2人の女性を相次いで襲っていた。性犯罪者の再犯が社会問題化する中、その根深さを浮き彫りにした。

 起訴事実によると、同容疑者は5月5日午前11時20分ごろ、市内の20歳代の女性方に侵入。財布(現金約2万5000円在中)を盗んだ上、1人で寝ていた女性を連れ出し、同日夕から深夜にかけ、市内の2カ所のホテルで暴行した。

 同容疑者は今年3月に出所後、高知市内に戻ったが、家族と口論になり家出。4月17日、一人暮らしの20歳代の女性方に侵入し、18日間にわたって居座り暴行を繰り返した。同容疑者は5月4日にこの女性方を出たが、直後の翌5日に今回追起訴された暴行を起こしていた。

 5月9日、同容疑者を逮捕。同容疑者は「おれは暴力団だ」「言うことを聞けば殺さない」などと脅し、「逃げようとすればこうしてやる」と女性の腕に暴行するなどして監視し、抵抗させないようにしていたことが分かった。

 同容疑者は18日間居座った相手の女性に消費者金融に金を借りさせて奪ったほか、おびえ切った女性を連れ出し、県外へ一緒に出掛けるなど犯行をエスカレートさせていた。被害者の女性は心的外傷後ストレス障害(PTSD)など心身に深い傷を負った。

 調べに対し、同容疑者は「行き当たりばったりでマンションを狙った」と女性方に侵入したことは認める一方、暴行について「同意があった」と否認しているという。

 昨年7月、女性をわいせつ目的で拉致・殺害し、松山地裁無期懲役判決を受けた無職男=控訴中=も、婦女暴行致傷罪などで服役し、出所後わずか約1週間後に犯行に及んでいた。